平成8年6月14日

      旅館業法の一部改正について

1.趣旨
  現行の旅館業法は、終戦直後の昭和23年に公衆衛生の見地からの取締を目的とし
 て制定され、その後、昭和32年にいわゆる善良な風俗を保持する観点からの規制を
 加え現在に至っている。
  このような現行の旅館業法の目的規定については、今日では時代錯誤も甚だしいも
 のであり、早急に時代に合ったものに改めるべきとの旅館業関係者からの強い要望に
 応え、旅館業法の一部を改正する法律案が、衆議院厚生委員会和田貞夫委員長から今
 国会に議員提案され、可決された。
  (国会審議経過)
    6月11日 衆議院厚生委員会、衆議院本会議
    6月13日 参議院厚生委員会 6月14日 参議院本会議

  〈参考〉現行の目的規定
  第1条 この法律は、旅館業に対して、公衆衛生の見地から必要な取締を行
   うとともに、あわせて旅館業によつて善良の風俗が害されることがないよ
   うにこれに必要な規制を加え、もつてその経営を公共の福祉に適合させる
   ことを目的とする。

2.改正の概要
 (1) 法律の目的規定の改正
    旅館業の健全な発達を図るとともに、利用者の需要の高度化及び多様化に対応
     したサービスの提供を促進し、もって公衆衛生及び国民生活の向上に寄与するこ
     とに改めること。


   ※公衆衛生の見地からの取締と善良の風俗を保持するための規制を目的とす
   る現行の消極的規定を、業の振興に関する内容を盛り込むことにより、旅館
   業の健全な発達を図ること等により公衆衛生及び国民生活の向上に寄与する
   積極的目的規定に改める。


 (2) 営業者の責務規定の新設
    旅館業が国民生活において果たしている役割の重要性にかんがみ、営業者は、
     利用者の需要に対応した営業の施設の整備及び宿泊に関するサービスの向上等に
     努めなければならないこと。

   ※旅館業は、国民に健全で快適な宿泊サービスを提供することにより、国民
   生活の充実に大いに寄与している。高齢社会の到来、余暇活動の充実への関
   心の高まりなどを背景に利用者ニーズの高度化・多様化が進む中、営業者の
   責務として、これらに的確に対応することを求めるものである。


 (3) 国等の支援規定の新設
    旅館業の健全な発達を図り、利用者の需要に対応したサービスの提供を促進す
     るため、国及び地方公共団体は、営業者に対し、必要な資金の確保、助言、情報
     の提供等の措置を講ずるよう努めること。

   ※国及び地方公共団体は、サービスの向上に取り組む営業者を積極的に応援
   するため、融資や税制上の優遇措置、助言、情報の提供等の措置を講ずるよ
   う努めるものとする。

 (4) 施行期日は、公布の日

     (※印の文章は解説)

    問い合わせ先 厚生省生活衛生局指導課
     担 当 深澤(内2434)
          電 話 (代)3503-1711
                  (直)3501-9554