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国籍、旅券番号の記載を義務付け

旅館業法施行規則の一部を改正
平成17年4月1日から施行

  政府はテロ防止策の一環として、ホテルや旅館に対し、宿泊者名簿に外国人旅行者の旅券番号や国籍を記載させることを義務付けるとし、旅館業法施工規則の一部を改正する省令が17年1月24日に厚生労働省第7号をもって官報で公布され、平成17年4月1日から施工させることになった。
  旅館業法(昭和23年法律第138号)第6条に規定する宿泊名簿については、感染症が発生し、または感染症患者が旅館等に宿泊した場合において、その感染経路を調査することなどを目的として、営業者に対して宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載させることとしているが、当該旅館等に外国人が宿泊していたような場合、当該外国人の身元を確認するためには、現在の旅館業法で規定されている事項のみでは特定が不十分となるおそれがあった。
  また、近年の諸外国におけるテロ事案の発生を受けて、日本国内においてもテロ発生に対する脅威が高まってきており、不特定多数の者が利用する旅館等においてはその利用者の安全確保のため体制整備がますます重要となっている。
  本改正による措置は平成16年12月10日に政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において決定された「テロの未然防止に関する行動計画」に盛り込まれた対応策のうち、航空機に警官を配置するスカイマーシャルなどに続く措置となっている。
改正の内容は次の通り。
(1)営業者が備える宿泊者名簿に記載すべき事項として、宿泊者の氏名、住所及び職業に加え、当該宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人である場合にはその者の国籍および旅券番号を併せて記載することとされ、また、その他都道府県知事が必要と認める事項を記載することとされた。(改正規則第4条の2)
(2)経過措置として、施行日以前から宿泊を開始している宿泊者に係る宿泊者名簿の記載については、なお従前のとおりとすることとされた(改正規則附則)。
  また、本改正により営業者が実施すべき事項は次のとおりとなっている。
(1)宿泊者名簿に住所等を記載することについては、旅館業法第6条に基づき従来から実施されてきたものであるが、改正規則施工後においては、宿泊者が自らの住所として国外の地名を告げた場合、営業者は、当該宿泊者の国籍及び旅券番号の申告も求めることとする。
(2)氏名及び旅券番号等を宿泊者名簿に記載する際には正確を期する必要があるため、本改正により宿泊者名簿に国籍及び旅券番号の記載をすることとなる宿泊者に対しては、旅券の呈示を求めるとともに、旅券の写しを宿泊者名簿とともに保存することとする。これにより、当該宿泊者に関する宿泊者名簿の氏名、国籍及び旅券番号の記載に代替しても差し支えないものとする。
(2)の旅券の写しについては、営業者は、国籍および旅券番号の記載をすべき宿泊者に対して旅券の呈示を求め、その写しを宿泊者名簿とともに保存することとしているが、営業者の求めにもかかわらず、当該宿泊者が旅券の呈示を拒否する場合には、当該措置が国の指導により行うものであることを説明して呈示を求め、更に拒否する場合には、当該宿泊者は旅券不携帯の可能性があるものとして、最寄りの警察署に連絡する等適切な対応を行うこと。
  また、宿泊者名簿の記載事項を告げない宿泊者の取扱いについて、旅館業法第6条第2項の規定により、宿泊者は、営業者から請求があったときは、宿泊者名簿の記載事項を告げなければならないとされているが、営業者が請求したにもかかわらず、宿泊しようとする者が宿泊者名簿に記載すべき事項を告げ ない場合には、このことをもって旅館業法第5条第2号の「その他の違法行為をする虞があると認められるとき」に該当するものとして、宿泊を拒否できると解すること----としている。なお、警察官からとの職務上宿泊者名簿(外国人宿泊者の旅券の写しを含む)の閲覧請求があった場合においては、旅館等の利用者の安全確保の観点からも引き続き協力すること-----としているほか、改正規則第4条の2第2号の規定に基づき都道府県知事が宿泊者名簿への記載が必要と認めた事項については、都道府県において規則等により定めることができること。
また、各営業者がフロント等に張り出す際の「お願い文」については、厚生労働省健康局生活衛生課から次のような案が示され、全旅連ではこれを英語、韓国語、中国語などでも提示していくことになった。


パスポート掲示等のお願い[PDFファイル 297KB]
問い合わせ(苦情)対処用[PDFファイル 462KB]


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